マウスピース矯正の痛み対処法〜すぐに試せる8つの緩和方法
マウスピース矯正の痛み・・・その不安、よくわかります
「マウスピース矯正って痛いんでしょうか」
いとデンタルクリニックにご相談にいらっしゃる患者さまから、このご質問を本当によくいただきます。歯並びを整えたい気持ちはあるけれど、痛みへの不安で一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、マウスピース矯正は従来のワイヤー矯正と比べて痛みがマイルドです。しかし、個人差があり、まったく痛みを感じないわけではありません。歯を動かすという治療の性質上、ある程度の違和感や痛みは避けられないのが現実です。
ただし、適切な対処法を知っていれば、痛みを大幅に軽減できます。今回は、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師として、マウスピース矯正の痛みの原因と、すぐに実践できる8つの緩和方法をご紹介します。
マウスピース矯正で痛みが生じる6つの原因
痛みを軽減するためには、まず「なぜ痛むのか」を理解することが重要です。
歯が動くことによる痛み
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを1日20〜22時間装着することで歯並びを整える治療法です。歯は本来、しっかりとした骨に支えられているため、簡単には動きません。
しかし、継続的に力を加えることで、歯の周りの骨が変形し、徐々に歯が移動し始めます。この過程で、締め付けられるような痛みを感じることがあります。特にマウスピースを初めて装着したときや交換したときなど、歯の動き始めは最も痛みを感じやすくなるでしょう。
痛みのピークはマウスピース装着後の2〜3日といわれており、1週間もすれば歯が移動して落ち着くことが多いです。

歯根膜が敏感になることによる痛み
歯の周りには「歯根膜」という繊維があります。
矯正力が加わり歯が動いてくると、歯が動く側の歯根膜は縮み、反対側は引っ張られて伸びていきます。その伸び縮みした部分を周りにある骨が新しく作られたり吸収されたりすることで、歯根膜の厚さを保ちながら徐々に骨が移動していきます。
歯根膜は、食べ物を噛んだ時にクッションのように歯にかかる衝撃を和らげる働きをしています。マウスピース矯正中は歯根膜が伸び縮みしており敏感な状態となっているため、少しの刺激でも痛みを感じやすくなるのです。硬いお煎餅やお肉など、噛む力を強く必要とする場合には痛みが強く感じられます。
マウスピースの縁が粘膜に当たる痛み
マウスピースの縁が、歯茎や頬にあたって痛みを感じることもあります。
歯茎や頬に長時間あたると、出血や炎症、口内炎の原因になります。我慢せずに早めにご相談ください。
アタッチメントによる痛み
マウスピース矯正では、「アタッチメント」という白い突起物を直接歯につけることがあります。
アタッチメントをつける目的は、マウスピースと歯をしっかり密着させ、より効果的に歯を移動させることです。マウスピースをつけているとおおわれるため、ふだん違和感があることは少ないでしょう。
しかし、マウスピースを取り外すときに引っかかり、痛みを感じる場合があります。また、食事のときに、アタッチメントのとがっている部分が頬にあたって痛いと感じることがあるかもしれません。
顎間ゴムによる痛み
マウスピース矯正では、より効果的に治療を進めるために、「顎間ゴム」を装着することがあります。
顎間ゴムとは、上下の歯にゴムをつけることで歯を引っ張る力を強め、噛み合わせや顎の位置をコントロールするものです。マウスピースを装着したときと同じく、顎間ゴムを装着したあとの2〜3日は痛みを感じることがあります。
しかし、痛いからといって自己判断でやめてしまうと、思った効果が得られません。歯が移動することで徐々に痛みは落ち着きますが、数日たっても痛みが治まらない場合は、歯科医院を受診しましょう。
歯が後戻りすることによる痛み
マウスピースの装着時間が短いことで歯が後戻りした場合、マウスピースを装着したときに痛みを感じることがあります。
マウスピース矯正は、マウスピースを1日20〜22時間以上装着しなければ、十分な矯正効果が得られません。矯正治療中の歯は、しばらく力がかからないと、もとの位置に戻ろうとします。
マウスピースの装着時間をしっかり守れば、痛みを感じることはありません。治療がうまく進まない原因になるので、必ず装着時間を守りましょう。
すぐに試せる8つの痛み緩和方法
それでは、具体的な痛み軽減法をご紹介していきます。

1. 痛み止めを適切に服用する
耐えられない痛みが続く場合は、痛み止めを服用するのも有効な手段です。
ただし、注意していただきたいのが痛み止めの成分です。市販されている鎮痛剤に使われることが多い「イブプロフェン」という成分は、歯の動きを止めてしまう可能性があります。矯正を予定どおりに進めるためには、「アセトアミノフェン」で作られた鎮痛剤の利用がおすすめです。
また、痛み止めを連日のように服用して乗り切るのはおすすめできません。痛みが引かずに持続している場合は、治療中の歯科医院で検診を受けましょう。
2. やわらかい食べ物を選ぶ
矯正中は歯根膜が敏感になっているため、硬いものや噛み切りにくいものを食べると痛みが増してしまいます。
痛みが強い時にはお粥やゼリー、スープなど、なるべく噛まなくても飲み込めるものに変更すると痛みが緩和されます。
3. マウスピースを一時的に外して様子を見る
どうしても我慢できないような痛みがある場合、一旦マウスピースを外して様子を見ましょう。
痛みの原因が虫歯や歯周病、口内炎でない場合、マウスピースを外して少し時間を置くと痛みが引くことがあります。ただし、マウスピース矯正は1日20時間以上の装着が推奨されているため、長時間外したままにすることは避けてください。
痛みが落ち着いたら、様子を見ながら再度装着することを忘れないようにしましょう。
4. 痛みのある部分を冷やす
特に痛みが強い箇所がある場合、氷や保冷剤で患部を冷やすことで痛みを緩和できます。
矯正治療は、歯周組織の炎症を利用した治療です。歯が積極的に動いている期間は炎症を起こしているため、運動したあとやお風呂上りなど、身体が温まって血流がよくなると痛みが増すこともあります。ほてっている部分を冷やすことで炎症がおさまり、痛みの緩和につながるでしょう。
5. マウスピースの縁を丁寧に削る
チクチクしたような痛みを感じる場合は、マウスピースの縁が粘膜や歯茎に干渉している可能性があります。
鋭利な部分がある場合や、痛みの原因として特定できる箇所がある場合は、爪を整えるやすりなどで削り、丸みを持たせることで痛みを解消できます。ただし、マウスピースを削りすぎると矯正力が失われる可能性があるため、自分自身で調整するのが難しい場合は歯科医院に相談しましょう。
6. リムーバーを使用してゆっくり着脱する
マウスピースは、歯にピッタリと密着しているため、慣れるまでは取り外しが難しいと思われます。
リムーバーと呼ばれるマウスピースを取り外すための器具を使用すると、口腔内への刺激が少なくすみます。着脱時はマウスピースで粘膜を挟み込んでしまったり、爪で粘膜を傷つけてしまうことがあるため、ゆっくり、丁寧に行いましょう。
7. マウスピースを清潔に保つ
矯正器が清潔であることで歯茎への刺激が減少し、虫歯のリスクも低くなります。
洗浄の頻度としては毎食後をおすすめしますが、うがいだけでも良いでしょう。清潔に保つことで、炎症を抑え、痛みの軽減につながります。
8. 定期的な受診を欠かさない
痛みが長引く場合や、我慢できないほどの痛みがある場合は、必ず歯科医院を受診してください。
マウスピースの調整や、治療計画の見直しが必要な場合もあります。定期的な受診により、痛みの原因を早期に発見し、適切な対処ができます。
マウスピース矯正中に痛みを感じるときの注意点
痛みを感じるときに、やってはいけないことがあります。

マウスピースを長時間外さない
痛いからといって、マウスピースを長時間外すのはNGです。
マウスピース矯正は、1日20〜22時間の装着が原則です。これを守らず、長時間外してしまうと歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こります。その結果、再びマウスピースを装着したときに、フィット感が悪くなり、痛みや窮屈さを感じることがあります。
違和感を防ぐためにも、装着時間をしっかり守ることが重要です。
市販の痛み止めを繰り返し服用しない
痛み止めの長期間常用は避けてください。
長期間常用してしまうと、痛み止めの抗炎症成分が骨代謝を阻害し、歯が移動しづらくなってしまう場合があります。自己判断での内服ではなく、歯科医師の指示に基づいた内服をおすすめします。
刺激をあたえない
痛みがあるときは、患部に刺激をあたえないようにしましょう。
硬い食べ物や、熱すぎる・冷たすぎる飲食物は避けてください。また、舌で歯を押したり、触ったりすることも控えましょう。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の痛みの違い
マウスピース矯正は、一般的にワイヤー矯正と比べて痛みが少ないことが特徴です。
ワイヤー矯正では、一度に動かす歯の距離が大きいため、歯が動く際の痛みを感じやすくなります。また、歯が動く痛みに加えて、ワイヤーやブラケットなどの装置が会話中や食事中に当たって痛みが生じやすくなります。
これに対し、マウスピース矯正はコンピューター上で詳細にシミュレーションされたマウスピースを用いて歯を徐々に移動させるため、ワイヤー矯正に比べて痛みが軽減されます。食事の際にはマウスピースを外すことができるため、食事中の痛みも少なくて済みます。
いとデンタルクリニックの痛みに配慮した治療
いとデンタルクリニックでは、患者さまの痛みに配慮した治療を提供しています。

iTero口腔内スキャナーによる精密検査
当院では、「iTero」という口腔内スキャナーを使用しています。
このスキャナーは歯や歯茎にレーザー光線を当てて正確な歯型データを採取するもので、患者さまの負担が少ない検査を実現しています。採取した歯型を3Dデジタル化し、治療完了までの緻密な治療計画を立案します。
従来のシリコン印象材による歯型取りと比べて、不快感が大幅に軽減されます。
難症例にも対応できる総合的な治療計画
マウスピース矯正だけでは難しいと判断した場合、部分的にワイヤー矯正を併用する場合がございます。
重度の歯並びや骨格的な問題がある場合、マウスピース矯正だけでは十分な改善が難しいケースもあり、ワイヤー矯正との併用が必要になることもあります。患者さまに最適な治療法をご提案し、質が高く納得していただける治療の提供を目指しています。
女性歯科医師が在籍・平日20時まで診療
当院には女性歯科医師が在籍しており、女性ならではの細やかな配慮で診療を行っています。
また、平日は20時まで、土曜日も診療を行っており、お仕事帰りの通院にも対応しています。西28丁目駅から徒歩3分という好立地で、円山・中央区エリアに根差した地域密着型の診療を提供しています。
まとめ〜痛みへの不安を解消して、理想の歯並びを手に入れましょう
マウスピース矯正の痛みは、適切な対処法を知っていれば大幅に軽減できます。
歯が動くことによる痛み、歯根膜が敏感になることによる痛み、マウスピースの縁が粘膜に当たる痛みなど、痛みの原因を理解し、適切に対処することが重要です。
痛み止めの適切な服用、やわらかい食べ物の選択、マウスピースの一時的な取り外し、患部を冷やす、マウスピースの縁を削る、リムーバーの使用、清潔に保つ、定期的な受診など、8つの緩和方法をご紹介しました。
また、マウスピースを長時間外さない、市販の痛み止めを繰り返し服用しない、刺激をあたえないなど、注意点も守りましょう。
いとデンタルクリニックでは、iTero口腔内スキャナーによる精密検査、難症例にも対応できる総合的な治療計画、女性歯科医師の在籍など、患者さまに安心していただける治療環境を整えています。
痛みへの不安を解消して、理想の歯並びを手に入れませんか。
マウスピース矯正に関するご相談は、札幌市中央区のいとデンタルクリニックまでお気軽にお問い合わせください。患者さま一人ひとりに合わせた治療計画をご提案し、安心の矯正治療をサポートいたします。
【著者情報】

医療法人社団 糸 理事長/いとデンタルクリニック院長
齋藤 布至(さいとう のぶゆき)
札幌市出身。神奈川歯科大学卒業後、東京・神奈川の歯科医院で研鑽を積み、西28丁目・エストラーダ円山にて「いとデンタルクリニック」を開院。現在は医療法人社団 糸 理事長として、地域に根ざした歯科医療に取り組んでいる。
患者さま一人ひとりの気持ちに寄り添い、お子さまからご高齢の方まで幅広い世代に心をこめた診療を提供。生涯ご自身の歯で食べる喜びを支え、口腔の健康を通じて笑顔あふれる暮らしに貢献することを大切にしている。
所属学会・団体
日本口腔インプラント学会
東京形成歯科研究会
日本歯科医師会
日本歯科訪問協会
日本美容歯科医療協会
日本アライナー矯正歯科研究会

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